連載“津軽”

Category : blog
Date : November 17, 2018

 

ぼくは北東北とよばれる青森、岩手、秋田の情報誌「rakra ラ・クラ」において、連載「津軽」を寄稿していまず。今号はその「第38回」。隔月の発刊なので、早いものでかれこれ6年半続けていることになります。そんな雑誌「rakra ラ・クラ」は、毎号北東北地方ならではの特集が組まれ、とても丁寧な編集と取材によって構成されている美しい雑誌。それを作る編集部は、版元でもある岩手県盛岡にある川口印刷さんという印刷屋さんの中にあります。そのおかげもあって、その印刷の仕上がりが美しいのはもちろんのこと、こうやってひとつの雑誌を作る上で、とても風通しの環境で出版されています。
この連載「津軽」は、タイトルにあるように青森県津軽地方において、ぼくがそこで出会った人々、そしてその世界に拡がる様々な光景の中で、感じているいろいろを毎号綴っています。そんな「津軽」との最初の出会いは、「青南商事」というリサイクル会社でした。その大きな工場の中には、一般的に“ゴミ”とよばれる廃棄物が山のように積み上げられています。そして、ぼくたちが一度“ゴミ”として捨てられたものたちが、このリサイクルというプロセスを経て、再び世の中にもう一度別のかたちとなって生まれ変わるすがたに、ぼくはすっかり魅了されました。そして、そこから生まれたのが写真集「DUST MY BROOM」

その廃棄物が山積みされたリサイクル会社のヤードの向こうには、いつも当たり前のように美しい岩木山がありました。そんな空を見上げながら、いつしかぼくはここ津軽地方のいろいろに心惹かれて行きました。そして、それをひとつひとつ確かめるように、そこにあるすべてに対して眼差しを向け、時には何も見えなくなるほどの地吹雪の中でさえカメラを構え、撮影を続けています。そして今回、初めて今までの連載の全てを自身でゆっくりと振り返るように読み直してみました。
こうやって自身の言葉を振り返りながら書き上げた38回のテキストは、少しだけラブレターのような。

来年には、この連載「津軽」が、いよいよ書籍化されることなりました。
詳細は追ってお知らせしますが、今後も、この「ラ・クラ」における、連載「津軽」をお楽しみに。

 


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